• Aiko Sada

女性研究者の外見をジャッジする空気、変えていきませんか?

先日Twitterで研究者ファッションについての漫画が話題になっていた。

https://note.com/grffr/n/n16617bd777fb


研究者のドレスコードは、度々話題になる。私自身は生物系出身なので、学会でのドレスコードもカジュアルな方だった。一方、最近顔を出している医学系の学会ではスーツの人がほとんど。


TPOに合わせた服装を、そして研究者もブランディングを意識して、研究者ファッションを考えていきましょうというのが素直に読んだ漫画のメッセージであろう。


しかし私は漫画を読んでいて引っかかった。2つの意味で。


一つはアカデミアにおいて、服装や外見で仕事に対する評価が変わらない研究コミュニティがより理想なんじゃないかと思うこと。これは私個人の意見で、賛否両論あると思うので、議論を深めていければ。研究分野や場面にもよるので、答えが一つということでもないと思う。


もう一つは、女性研究者の外見に対するジャッジメントが、悲しいけど実際には存在しているよね、ということ。ここは変えていきたい。




日本の研究者コミュニティにおいて、女性研究者に対する見た目に対するジャッジメントがちょっとひどくないかな?と感じることが正直よくある。


学会へ行けば男性が多く、女性であるだけで会場で目立つ。演者ならなおさら。大学でも教員組織は女性率がかなり低い。そんな中で、周りの何気ない女性研究者に対する外見のジャッジメントをよく耳にする。


「ヒラヒラした格好してやる気あるのか」「あの女性研究者の服はいつも派手だよね~いい歳して」「普通学会にああいう服は着てこない。常識がない。」「あの女性研究者は美人で好みのタイプだ」「化粧もせずに女を捨てている。いくら研究ができてもああはなりたくない。」とか。

うるせぇと思うけど、自分の気持ちがポジティブで前向きなときでないと、まともにくらって傷つくのですよね。


話を聞いてもらえないのは、自分の服装がきちんとしていないから?


なかなか名前を覚えてもらえないのは、自分が服装や髪型をコロコロ変えているせい?


プロ意識のある「きちんとした」服を着ていないと、周りに認められないんじゃないか?


本当はフェミニンな洋服が好きだけど、仕事をする上で低評価になるのではないか?


声が高いから、プレゼンが幼稚に聞こえる?(言われた経験あり。声が高いことを直そうと努力してきたが、アンコンシャスバイアスの例として挙げられていて、確かに・・・と思った。)

上の漫画を読んだときに、あぁ私はこういう思考になることがあるよな、と思った。単純に研究者としてTPOに合った服装や見た目ブランディングだけの話でないような気がして。


研究者は服装や外見で判断しないし、それがアカデミアの良さであり、あり方である、というのは信念として信じているけど、若手のキャリア形成がただでも不安定で難しい中、ライフイベントで研究に100%の力も注げない状況で、少しでもマイナス要素は減らそうという思考や行動になることは、自分もある。


むしろ、そんな環境や雰囲気を作り出している人たち、女性研究者の見た目に関して、嘲笑、陰口、評価を下す現状をほんとのほんとにどうにかしたい。たぶん言っている方は、全然気付いてないし、さほど悪気もないし、ましては女性研究者を本気でバカにしたり、傷つけようという気もないのだと思う。ただ、言われている人、周りで聞いている女性研究者にとっては、かなりのディスカレッジであるということを知ってほしい。


ウェブサイトやresearchmapSNSなどに顔写真を出したくない女性研究者の話も耳にする。見た目のことを言われるのが嫌というだけでなく、実際に危ない目にあうこともあるという話も。研究者にとって、顔と名前と仕事を国内外の人に覚えてもらうのは大切なことなのに。

このブログや私のツイートを読んでくれている中には、信頼している色んな世代の研究者がいると思うので、少しでも女性研究者がどう感じているかを知ってもらえれば。このご時世に、なんで女性研究者は服装なんかで議論しているんだろう??とハテナがいっぱいの人、関心のない or 気づいていない人も多いと思うので。




私個人の意見としては、やはり見た目で研究者の評価は変わらない世界に、少なくともアカデミアはあってほしい、と思う。

私が博士学生の頃にやっていた研究を、10年たった今でも評価してくれる人がいる。学生時代に出会った同世代の研究者や先生方が、名前や仕事を覚えていてくれたりする。が、おそらく私があの当時にどんな髪型をして、何を着ていたか、そこは関係ないんじゃないかな。たぶん誰も覚えていないだろう。

アメリカでポスドクして学会に行って、「お気に入りの服を着ていこう」と思うことはあっても、そこで仕事の評価が変わるとは思わなかったし、おそらく変わらないと思う。

一方、帰国して、日本で学会に行き、大学で会議に出るようになり、今まで悩まなかった自分の服装で悩むようになったのも事実。でも自分はもう気にしすぎるのはやめようと思った。

「他人からどう見られるか」ではなく、「自分が何を着たいか」「自分が何を大事にしているのか」。ちなみに私はすっぴんメガネで猫の手も借りたいTシャツでラボをうろついていたりするが、サイエンスを盛り上げていこうという自分のパッションのようなものが、自分を纏う雰囲気になってくれているはず。


念のため、汚い格好こそ良い研究者の証、と言いたいわけではない。自分の着たい服着て、好きなサイエンスを思い切り楽しんだらいいじゃないか、誰が何を着ててどんな見た目かということよりも、集まった人で熱くサイエンスの議論ができればいいじゃないか、と思うんだな。


佐田

(本ブログ記事は、私個人の意見であり、所属組織や研究者全員の見解を示すものではありません。)

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