Changarathil G, Ramirez K, Isoda H, Sada A*, Yanagisawa H: Wild-type and SAMP8 mice show age-dependent changes in distinct stem cell compartments of the interfollicular epidermis. 

* Corresponding author

PLoS One 14(5): e0215908​, 2019 [PubMed] [Full Text]

本研究では、分裂頻度の異なる幹細胞に着目し、野生型老年マウスを用いた加齢表皮の表現型解析を行った。その結果、分裂頻度の高い表皮幹細胞では加齢に伴い顕著に増殖能が低下すること、一方で分裂頻度の低い表皮幹細胞は分化マーカーの発現が低下することを見出した。さらに、老化促進モデルマウスSAMP8では、野生型老年マウスで見られる表現型が時期尚早に現れることから、表皮幹細胞の老化プロセスを解析する新たなツールとしての可能性を示した。

本研究は、筑波大学人間総合科学研究科生命システム医学専攻(国費留学生)のGopuが中心となって行いました。Gopuは、2019年9月に博士の学位を取得しました。

Oinam L, Changarathil G, Ngo YX, Yanagisawa H, Sada A*: Epidermal stem cell lineages. 

* Corresponding author

Advances in Stem Cells and their Niches, 2019 (A book chapter) [Full Text]

表皮幹細胞に関する最新知見をまとめた英語総説です。

Tsunezumi J, Sugiura H, Oinam L, Ali A, Thang BQ, Sada A, Yamashiro Y, Kuro-O M, and Yanagisawa H: Fibulin-7, a heparin binding matricellular protein, promotes renal tubular calcification in mice.

Matrix Biol 74: 5-20, 2018 [PubMed] [Full Text]

Sada A, Jain P, Wang S, Leung E, Tumbar T: Slc1a3-CreER as a targeting tool for the K6+ epithelial stem cell niche and its precursors during mouse hair follicle cycle.

J Invest Dermatol 137(7): 1569-1571, 2017 [PubMed] [Full Text] [Commentary]

毛包幹細胞は、毛周期依存的に制御され、毛包の再生と退縮を担う。しかし、毛包幹細胞の制御に必須な役割を果たすニッチ細胞を特異的に標識するマーカーの欠如により、ニッチ細胞の由来について論争が続いていた。本研究では、新規に同定したSlc1a3-CreERを用いた細胞系譜解析により、マウス毛包において、毛包幹細胞の休止状態をつかさどるニッチ細胞の元となる前駆細胞を同定し、毛周期を通じた細胞のダイナミクスを明らかにした。この成果は、JID誌のCommentaryで取り上げられ、注目された。

Sada A, Jacob F, Leung E, Wang S, White BS, Shalloway D and Tumbar T: Defining the cellular lineage hierarchy in the interfollicular epidermis of adult skin.

Nat Cell Biol 18: 619-631, 2016. Selected for F1000 prime. [PubMed] [Full Text] [プレスリリース] [解説]

古典的なモデルにおいて、組織幹細胞は、細胞分裂頻度を低く抑えることで、分裂に伴って起こりうる幹細胞のがん化や老化を防ぐと提唱されていた。本研究では、新たに同定した分子マーカーを用い、マウス表皮においてこのモデルを再検証したところ、分裂頻度の低い細胞だけでなく、本来幹細胞ではないと考えられてきた活発に分裂する細胞も、幹細胞として働くことを発見した。本論文は、F1000Prime(国際的な論文評価システム、全世界の論文の上位2%程度)に選出され、当該分野で高い評価を受けている。

Zhou Z, Shirakawa T, Ohbo K, Sada A, Wu Q, Hasegawa K, Saba R and Saga Y: RNA binding protein Nanos2 organizes post-transcriptional buffering system to retain primitive state of mouse spermatogonial stem cells. 

Dev Cell 34(1): 96-107, 2015 [PubMed] [Full Text]

Lee SE, Sada A, Zhang M, McDermitt DJ, Lu SY, Kemphues KJ and Tumbar T: High Runx1 levels promote a reversible, more-differentiated cell state in hair-follicle stem cells during quiescence. 

Cell Rep 6(3): 499-513, 2014 [PubMed] [Full Text]

毛包幹細胞が、ニッチであるバルジ領域から下方へ移動し、段階的に分化する一連の過程がどのように制御されているかに迫るため、幹細胞から分化へと移行した最も初期段階の細胞で高発現する転写因子Runx1に着目した。我々は、Runx1が幹細胞で発現する遺伝子群と分化に働く遺伝子群を可逆的に制御することで、毛包幹細胞から初期分化への移行と脱分化を司ることを見いだした。

Sada A and Tumbar T: New insights into mechanisms of stem cell daughter fate determination in regenerative tissues.

Int Rev Cell Mol Biol 300: 1-50, 2013 (A book chapter) [PubMed] [Full Text]

Sada A, Hasegawa K, Pin PH and Saga Y: NANOS2 acts downstream of glial cell line-derived neurotrophic factor signaling to suppress differentiation of spermatogonial stem cells. 

Stem Cells 30(2): 280-291, 2012 [PubMed] [Full Text]

RNA結合タンパク質Nanos2が、精原幹細胞の主要なニッチ因子であるGDNFシグナルの下流で、幹細胞の分化と細胞増殖の抑制に働くことを解明し、精原幹細胞制御の遺伝子カスケードの一端を明らかにした。

Suzuki H, Saba R, Sada A and Saga Y: The Nanos3-3'UTR is required for germ cell specific NANOS3 expression in mouse embryos. 

PLoS One 5(2): e9300, 2010 [PubMed] [Full Text]

Suzuki H, Sada A, Yoshida S and Saga Y: The heterogeneity of spermatogonia is revealed by their topology and expression of marker proteins including the germ cell-specific proteins Nanos2 and Nanos3. 

Dev Biol 336(2): 222-231, 2009 [PubMed] [Full Text]

Sada A, Suzuki A, Suzuki H and Saga Y: The RNA-binding protein NANOS2 is required to maintain murine spermatogonial stem cells. 

Science 325(5946): 1394-1398, 2009 [PubMed] [Full Text]

マウス精巣において、幹細胞を特定する分子マーカーが長年同定されておらず、その実態や制御機構は不明であった。佐田らは、RNA結合タンパク質Nanos2の発現と機能を手がかりとし、精原幹細胞の同定と制御メカニズムの解明に取り組んだ。その結果、Nanos2は、精巣内で増殖を司る精原細胞の中でも、最も未分化な一部の細胞に限局して発現し、それらの細胞はin vivoにおいて幹細胞能力を保持することを発見した。さらにNanos2欠損、過剰発現マウスの解析により、Nanos2が精原幹細胞の維持に必要不可欠な役割を果たすことを示した。

Yamasaki H, Sada A, Iwata T, Niwa T, Tomizawa M, Xanthopoulos KG, Koike T and Shiojiri N: Suppression of C/EBPalpha expression in periportal hepatoblasts may stimulate biliary cell differentiation through increased Hnf6 and Hnf1b expression. 

Development 133(21): 4233-4243, 2006 [PubMed] [Full Text]

業績

​論文&総説(英語)

研究資金獲得

AMED-PRIME、領域名:全ライフコースを対象とした個体の機能低下機構の解明、2018-2021年度、「上皮幹細胞の老化プロセスの包括的理解:分裂頻度の異なる幹細胞に着眼して」

https://www.amed.go.jp/program/list/04/02/001_11.html

科学研究費助成事業/若手研究、2018-2019年度、「組織の凹凸に着眼した上皮幹細胞の局在・機能制御とその加齢変化の解明」

科学研究費助成事業/新学術領域研究(研究領域提案型)公募研究、領域名:ステムセルエイジングから解明する疾患原理、2017-2018年度、「分裂頻度の異なる幹細胞に着眼した表皮幹細胞老化メカニズムの解明」

http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/molmed/stemcellaging/index.html

科学研究費助成事業/研究活動スタート支援、2016年度、「マウス表皮をモデルとした幹細胞老化メカニズムの解明」

科学技術人材育成のコンソーシアム構築事業「次世代研究者育成プログラム」/Nanotech CUPAL N.R.Pコース、2018-2019年度、「糖鎖プロファイリング技術を利用した幹細胞老化マーカーの同定とその分子基盤の解明」

https://docs.wixstatic.com/ugd/04e0fe_dd15f0bb2d15432c87a8f15fa0c5bdcc.pdf?index=true

三菱財団/第50回(2019年度)自然科学研究助成「若手助成」、2019年度、「糖鎖プロファイリング技術を利用した幹細胞老化バイオマーカーの同定とその応用」

内藤記念科学振興財団/2016年度女性研究者研究助成金、2016-2019年度、「成体血管の再生メカニズムの解明」

住友財団/2019年度基礎科学研究助成、2019年度、「糖鎖工学と幹細胞生物学の融合アプローチによる機能的老化マーカーの創出」

金原一郎記念医学医療振興財団/基礎医学医療研究助成金、2019年度、「角結膜再生に向けたin vivo幹細胞ダイナミクス解析」

武田科学振興財団/2018年度ライフサイエンス研究助成、2018年度、「三次元的に組織構造と幹細胞局在を捉える:マウス遺伝学的手法と3Dプリンターを用いたアプローチ」

アステラス病態代謝研究会/2018年度研究助成金、2018年度、「ステムセルエイジングから紐解く上皮の加齢性機能低下」

ホーユー科学財団/平成30年度助成事業、2018年度、「糖鎖プロファイリング技術を用いた幹細胞老化マーカーの網羅的探索」

中冨健康科学振興財団/平成29年度研究助成金、2017年度、「レクチンアレイ法を用いた幹細胞老化度指標の確立とその応用」

中島記念国際交流財団/平成29年度研究助成、2017年度、「幹細胞老化メカニズムの解明」

稲盛財団/2017年度研究助成、2017年度、「マウス表皮幹細胞の老化メカニズムの解明」

上原記念生命科学財団/平成28年度研究助成、2016年度、「マウス表皮をモデルとした幹細胞老化メカニズムの解明」

先進医薬研究振興財団/平成28年度若手研究者助成、2016年度、「血管平滑筋の再生メカニズムの解明」

リバネス/第31回池田理化再生医療研究奨励賞、2016年度、「皮膚幹細胞をターゲットとしたがん化・老化の予防、若返りに向けての基盤研究」

京都大学ウイルス・再生医学研究所/共同研究課題、2017年度, 2019年度、「皮膚の恒常性維持における表皮幹細胞のダイナミクス解析」

群馬大学生体調節研究所・内分泌・代謝学共同研究拠点共同研究公募、2019年度、「超短命魚ターコイズキリフィッシュを用いた幹細胞老化関連代謝因子の探索」

筑波大学・研究基盤支援プログラム(Aタイプ)、2016年度、「マウス表皮をモデルとした幹細胞老化メカニズムの解明」

招待講演

Aiko Sada: Maintenance of heterogeneous epidermal stem cell populations by the distinct niche, Japan-Singapore International Skin Conference 2019, Singapore, April 10-12, 2019(国際)

佐田亜衣子:マウス表皮における幹細胞ダイナミクス解析、「皮膚科学と数理科学の接点」研究集会、北海道大学電子科学研究所、2019年10月3-5日(国内)

佐田亜衣子:幹細胞と糖鎖:レクチン技術の利用と将来展望、N.I.Pコース令和元年TIAナオバイオサマースクール(糖鎖・レクチン)、東京、2019年9月3-4日(国内)

佐田亜衣子:表皮の再生と老化を担う幹細胞ダイナミクス、内分泌・代謝学 共同利用共同研究拠点セミナー、群馬大学・生体調節研究所、2019年6月21日(国内)

佐田亜衣子:皮膚の再生を担う幹細胞ダイナミクス〜発生から老化まで〜、富士フィルム株式会社、2018年11月9日(国内)

佐田亜衣子:表皮における幹細胞ダイナミクス、第91回日本生化学会大会、京都、2018年9月24-26日(国内)

Aiko Sada: Defining the stem cell lineages in adult skin epidermis: CDB Symposium, Kobe, Japan, March 26-28, 2018(国際)

佐田亜衣子:皮膚恒常性維持と損傷治癒を担う幹細胞の同定:細胞分裂頻度の違いに着眼して、第17回日本再生医療学会総会、横浜、2018年3月21-23日(国内)

佐田亜衣子:細胞分裂頻度の違いに着眼したマウス表皮幹細胞の同定、第3回幹細胞研究会、横浜、2017年11月29日(国内)

佐田亜衣子:マウス表皮幹細胞の同定と制御メカニズムの解明、第10回Symphony、東京、2017年9月17-18日(国内)

Aiko Sada: Defining the stem cell lineages in the mouse inter-follicular epidermis. The 15thStem Cell Research Symposium, Tokyo, Japan, May 26-27, 2017(国内)

Aiko Sada: Stem Cell Lineages of the Interfollicular Epidermis. Gordon Research Conference, Tissue Niches & Resident Stem Cells in Adult Epithelia, Hong Kong, China, August 7-12, 2016(国際)

Aiko Sada: Defining the stem cell lineages in adult skin epidermis. RIKEN CDB seminar, Kobe, Japan, June 27, 2016(国内)

総説(日本語)

佐田亜衣子:上皮コンパートメントの幹細胞と障害に対する応答性の多様性、月刊「細胞」50(7): 11-14, 2018

佐田亜衣子:皮膚を作る幹細胞の同定・可視化技術、Cosmetic Stage 11(5): 11-20, 2017

佐田亜衣子, Tudorita Tumbar:マウス表皮には分裂頻度の異なる2種類の幹細胞が共存する、実験医学34(14): 2700-2703, 2016

佐田亜衣子, Tudorita Tumbar:マウス表皮においては性質の異なる2種類の幹細胞が共存する、ライフサイエンス新着論文レビュー, 2016​  http://beta.first.lifesciencedb.jp/12426

熊本大学ロゴ.jpg
IRCMS.png
000008236.jpg
  • Facebook
  • Twitterの社会のアイコン
  • Instagram

熊本大学

国際先端医学研究機構(IRCMS)

​特任准教授

佐田亜衣子

E-mail: aisada (at) kumamoto-u.ac.jp

 

860-0811

熊本県熊本市中央区本荘2-2-1

Aiko Sada, Ph.D.

Associate Professor

International Research Center for Medical Sciences (IRCMS), Kumamoto University

 

E-mail: aisada (at) kumamoto-u.ac.jp


2-1-1 Honjo, Chuo-ku, Kumamoto City

860-0811, Japan

©︎2019, Sada Laboratory, IRCMS, Kumamoto University.  ©2010 kumamoto pref. kumamon. #K32035